日本型介護・高度日本語教育財団について

2017年11月1日の「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」の施行にあわせ、外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加され、外国人技能実習制度で初めて対人サービスである外国人介護士の受け入れが実現される運びとなりました。しかし日本国に於ける介護には、要介護者に対する独特のサービス形態と方法があり、その独自性を踏まえた外国人介護士の受入でなければなりません。

従来より日本国に対して、建設や農業などの分野の技能実習生を送り出していたアジアの国々が介護士の送出に於いても対象国となりますが、一概にアジア諸国には、介護の労働カテゴリーのない国もあり、介護士を育成する教育機関や担当する政府機関が無い、又は不明確である国もある実情の中で、フィリピン国はそれら日本国の外国人介護士受入方針と告知された内容に合致する諸条件を具備した最も適切な送出国であると思います。

しかしながら、フィリピン国の介護士の質と量で介護士を取り巻く諸般の環境が如何に他のアジア諸国を引き離しているとは言え、其の教育に於いては、日本人との平均寿命の差異や教育の根底をなす介護思想の違い、要介護者へのサービス範囲への認識の違いやそれから生ずる方法論の違いなどを理由として、日本国の介護現場にて要求される能力との懸隔が明らかに存在しており、その懸隔を最小化するフィリピン国側でのプログラムの追加が必要となっています。又、一般技能実習生と大きく相違する介護現場にて使用する日本語の重要度、取り分け要介護者に対する適切な日本語でのコミュニケーション能力の涵養は極めて重要です。

フィリピン国の日本語の教育は、政府の所轄機関TESDAの定める諸条件を満たして設立を許可された日本語学校のみが正式に基礎日本語を教育し、修了証明を発行する事ができるようになっています。中には正規登録をしていない怪しげな日本語教育を標榜する無許可学校も乱立しており、授業料と称した違法な金銭取得に纏わる事件が頻発している事態もあります。加えて正式登録された日本語学校に於ける基礎日本語教育に於いても、カリキュラムや教材などに合目的な教育内容を持たず、資格や指導能力のない教員の雇用、又経営者の経営思想や資質に於いても全く教育機関と呼ぶに相応しく無いものも多数存在している実情があります。

私達は、こうしたフィリピン国内の実情を踏まえ、日本国で就労を目的とする介護士の育成に関してそれぞれの分野に於ける認識と内容を備えた関係機関を糾合して、日本国にて就労する介護士の日本国介護現場に適合する資質の向上と量の確保を実現しようとするものであります。

その為に私達は、フィリピン国の介護士教育現場と日本国の介護現場に存在する相違を最小化する具体的な方策として、フィリピン国において日本型介護教育として、不足する日本語能力を涵養する日本語教育プログラムとフィリピン人介護士能力の日本国介護現場への整合性を高めるプログラムを実現し、日本国とフィリピン国の間に於いて、合目的的なフィリピン介護士の日本国での受入を実現するを嚆矢として、フィリピン国・日本国間に於ける適切な人材交流の礎たらんとするものであります。

第一号技能実習(1年目)には、日本語能力試験N4に合格している者(同等以上の能力を有すると認められる者)、第二号技能実習(2年目)には、日本語能力試験のN3に合格している者(同等以上の能力を有すると認められる者)が要件となっています。第2号技能実習については、原則として開始予定日の3か月前までに申請を行う必要があります。2年目申請時(入国から9ヶ月)に日本語能力試験のN3に合格できない場合は、1年間で帰国することになってしまいます。

日本型介護・高度日本語教育財団の日本語教育は、面接での内定者(日本語能力試験N4取得者)を対象に、日本語能力試験N3受験対策用のカリキュラム、日本型介護の基礎教育と介護現場における言葉と介護手法、日本の介護施設にて就労に必要な最低限の知識と介護機材の使用方法、そして介護現場にて使用するを日本語のコミュニケーション能力向上を目的として、介護福祉士と日本語教師の資格を持った日本人教師と高度な日本語教育能力を持ったフィリピン人教師により日本語で教育します。

フィリピン人介護士ならフィリピン人材総合情報センター PHGIC

入校資格

1.介護士資格(ケアギバーNCII)有資格者
2.TESDAの定める320時間基礎日本語コース(フィリピン日本語学校協会の日本語学校)の修了者
3.日本語能力試験N4合格者
4.日本側の監理団体(実習実施者)の面接内定者

受講料

日本の実習実施者(介護事業者)の全額負担となります。

受講期間

フィリピン全土から面接会での内定後、全寮制で集中して受講します。
入国申請手続き期間を活用した約2ケ月程度で、320時間(8時間/日×40日間)
その他に、補講や予習・復習・宿題があります。

主なカリキュラムについて

日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができるように、日本語能力試験N3試験対策用のカリキュラムを提供し、N3合格を目指し教育します。

  • 日本語
  • 生活一般に関する知識
  • 介護の日本語

日本語科目

・総合日本語:
①文法(文の文法、文章の文法)、
②語彙(文脈規定、言い換え類義、用法)、
③待遇表現、
④発音、
⑤正確な聞き取り、
⑥話題に即した文作成
・聴解:
①発話表現、
②即時応答、
③課題理解、
④ポイント理解、
⑤概要理解
・読解:
①内容理解、
②情報検索
・文字:
①漢字読み、
②表記
・発音:
①拍、
②アクセント、
③イントネーション
・会話:
①場面に対応した表現、
②文末表現
・作文:
①文章構成、
②表現方法
・介護の日本語:
①からだの部位等の語彙、
②介護の場面に応じた語彙・声かけ

技能等の修得等に資する知識の科目

・介護の基本Ⅰ・Ⅱ:
①介護の基本Ⅰ(介護職の役割、介護職の職業倫理、介護における安全の確保とリスクマネジメント、介護職の安全、介護過程、介護における尊厳の保持・自立支援)、
②介護の基本Ⅱ(からだのしくみの理解、介護を必要とする人の理解(老化の理解、認知症の理解、障害の理解))
・コミュニケーション技術:
①コミュニケーションの意義と目的、
②コミュニケーションの基本的技法、
③形態別コミュニケーション
・移動の介護:
①移動の意義と目的、
②基本的な移動の介護(体位変換、移動(歩行、車いす移動等))、
③移動介助の留意点と事故予防
・食事の介護:
①食事の意義と目的、
②基本的な食事の介護、
③食事介助の留意点と事故予防
・排泄の介護:
①排泄の意義と目的、
②基本的な排泄の介護(ポータブルトイレ、便器・尿器、おむつ等)、
③排泄介助の留意点と事故予防
・衣服の着脱の介護:
①身じたくの意義と目的、
②基本的な着脱の介護、
③着脱介助の留意点と事故予防
・入浴・身体の清潔の介護:
①入浴・身体の清潔の意義と目的、
②基本的な入浴の介護(特殊浴槽、チェアー浴、一般浴槽等)、
③入浴以外の身体清潔の方法(足浴・手浴、身体清拭)、
④褥瘡の予防、
⑤入浴・身体清潔の介助の留意点と事故予防

※日本語学習Web コンテンツによる自律学習
「日本語学習Web コンテンツ」には、以下の内容が含まれています。
1)入国後1年以内のN3程度の取得を目的とした日本語学習の補助教材
2)技能実習生自身が目標を立て、計画、実行、振り返りまでを行う自律学習をサポートする機能をもつ補助教材

入国後講習について

基礎日本語コース320時間と日本型介護・高度日本語教育320時間、合計640時間に及ぶ入国前講習は、日本語科目(告示第1条第2号イからハまで)、技能等の修得等に資する知識の科目(告示第1条第2号ニ、ホ)の教育内容が含まれておりますので、入国後講習(告示第1条第2号)を1/2にすることが可能です。

※入国前講習において、入国後講習で行うこととされている日本語科目又は技能等の修得等に資する知識の科目の講義に相当するものが行われ、その総時間数がそれぞれの科目について告示で定める合計時間数の2分の1以上である場合には、入国後講習において、その科目の総時間数を告示で定める合計時間数の2分の1を上限として免除することができます。教育内容ごとの時間数についても、入国前講習において行ったそれぞれの科目の講義における教育内容ごとの時間数を上限として、入国後講習において、告示で定める時間数の全部又は一部を免除することができます。

実習実施者における日本語学習指導者に求められるもの

介護職種の技能実習生の実習実施者における日本語学習の目標は、日本語能力試験N3程度の日本語能力を身につけ、能力試験に合格することはもちろんのこと、日本語による介護現場でのコミュニケーションを円滑に行うための能力を身につけることであります。そのため実習実施者の日本語学習指導者は、これらの日本語能力を測定する試験に関する正確な情報を理解するとともに、技能実習生や関係者と相談しながら、受験スケジュールを組み、所定の期間内にN3程度の資格取得を目指すことが求められると同時に、日本語能力資格取得に向けた学習のみならず、介護の現場で利用者や介護職員、医療関係者とのコミュニケーションを通じた信頼関係を構築するための日本語能力の向上も不可欠です。
日本語学習指導者は、1週間に1回以上、進捗状況を確認して、実習生を励ますことは、継続的な自律学習に不可欠で、職場や生活圏において学習環境を整え学習しやすい場所を提供することは、学習効率を高めるうえでも重要です。
自律学習スキルを習得し、目標に向かって学習計画をたて、計画に沿って学習を進め、振り返りができるように指導して下さい。
1.自己学習の重要性について理解を促し、講習期間中の学習計画の立案について、支援する。
2.今週の学習を振り返り、学習に対する自己評価を行う。
2.次週の学習目標を立て、学習計画を立てる。
3.学習が円滑に進むように適宜フォローを行う。

来日後の介護士の留意事項について

1)来日1年後には日本語能力試験N3の取得が求められています。N3の試験に不合格の場合、帰国措置が取られる規則である事から、来日後も介護士は集中して日本語の習得努力し受験準備を行わねばなりません。この場合、時間を無駄にせず提供されたN3取得用の各種教材その他を活用して日本語能力の涵養に努めるようにしてください。

2)求められる日本語能力は、N3取得だけではありません。特に介護の現場に於いて使用する介護用語の習得と、それを活用した適切な会話能力の向上が求められています。集中して日本語の学習を継続すると共に職場の日本人のスタッフとの会話頻度を高め、実践的介護用語指導を受ける努力も欠かせないものとして、職場の人間関係に留意してください。

3)日本型の介護職場には、それぞれによって決定された職場規定があります。日本国にて就労する場合には就労に関係する多くの法律もあり、関係規定や法律以外にも慣習や伝統又職場倫理があります。その習得も日本国での長期就労には不可欠のものとして認識し、技能実習生担当者と共に職場内の人間関係より学び取るものとしてください。

日本語能力試験に関する注意事項

本サイトでは、日本語能力試験としておりますが、日本語能力試験のN3と同等の能力を有すると認められる試験は、他にも下記の試験があります。
1. J-TESTのA-Dレベル試験において400点以上
2. NAT-TESTの3級
・ 日本語能力試験 JLPT (http://www.jlpt.jp/
・ J.TEST実用日本語検定(http://j-test.jp/
・ 日本語NAT-TEST(http://www.nat-test.com/

日本語能力を証明する書類について

第1号技能実習生と第2号技能実習生の技能実習計画の認定の申請を行う際には、上記の試験の成績証明書等の日本語能力を証明する書類を提出する必要があります。
技能実習計画の認定については、第1号技能実習については、原則として開始予定日の4か月前まで、第2号技能実習については、原則として開始予定日の3か月前までに申請を行う必要がありますが、申請を行う際に、試験の合否結果が出ていない等の事情で日本語能力を証明する書類を提出することができない場合には、第1号技能実習については、実習開始の3か月前まで、第2号技能実習については、実習開始の2か月前までであれば、申請後に当該書類を追完することが可能です。書類を追完する場合には、申請を行う際に、申請書類補正(追加書類提出)申告書を提出する必要があります。

継続学習のための学習について


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